メカニカルシールの故障を防ぐには、運転条件の管理、適切な設置、および予防保全の実施が重要です。
主要な予防策
1. 運転条件の安定化
- 熱変形や過度の摩耗を避けるため、圧力、温度、回転速度をシールの設計限界内に厳密に保ちます。
- 空運転の防止:潤滑と冷却のために、連続的でクリーンな流体供給を確保します(必要に応じて低流量アラームを設置)。
- シール面の分離を避けるため、緩衝システム(例:圧力調整器)を使用して圧力サージや変動を最小限に抑えます。
2. 流体の清浄度と適合性の確保
- シール面の研磨摩耗を防ぐため、高効率フィルター(粒子 ≤25μm を除去)を設置します。
- シール材との流体適合性を確認します(例:ニトリルのような耐性のないエラストマーを含む腐食性流体は避けてください)。
- 適切な流体粘度を維持します。潤滑を低下させる過度に薄いまたは厚い流体は避けてください。
3. 適切な設置手順の遵守
- メーカーのガイドラインに従います:シール、シャフト、ハウジングの正しい位置合わせを確保します(位置ずれは不均一な摩耗を引き起こします)。
- ファスナーには指定されたトルク値を使用します。締めすぎるとシール面が損傷し、締めが緩いと漏れの原因になります。
- 設置中は、シールのコンポーネントを清潔に保ち、傷をつけないようにします(シール面に小さな欠陥があると漏れの原因になります)。
4. 予防保全の実施
- 漏れ、異常なノイズ、または温度上昇について、毎日目視検査を行います。
- 摩耗した部品(例:Oリング、スプリング)を故障前に交換するために、定期的な検査(メーカーの推奨事項または運転条件に従って)を実施します。
- 経年劣化するコンポーネントを積極的に交換します。エラストマーは、明らかな損傷がなくても時間の経過とともに劣化します。
5. 異常への迅速な対応
- 空運転、激しい振動、または突然の温度上昇が発生した場合は、直ちに機器を停止します。
- 一時的な修正ではなく、根本原因(例:詰まったフィルター、流体汚染)を調査して解決します。
6. 適切なシールの選択
- 用途に合ったシールモデルを選択します(例:高温流体には高温シール、酸性媒体には耐腐食性シール)して、性能のミスマッチを避けます。