正確なメカニカルシール設置を確実にするには、技術仕様を厳守し、組み立て中の精度を維持し、汚染やミスアライメントのリスクを排除することが重要です。これらが、シールの早期故障を回避するための鍵となります。
設置プロセスは、3つの重要な段階に分けられ、実行可能な手順があります。
1. 設置前準備:基盤を築く
徹底的な準備は、組み立てが始まる前にほとんどの設置エラーを防ぎます。
- 互換性の確認:シールのモデル、サイズ、材質(シール面、エラストマー)が、機器および工况(温度、圧力、媒体)の要件に完全に合致していることをクロスチェックします。
- すべてのコンポーネントの清掃:糸くずの出ない布と互換性のある洗浄剤(腐食性溶剤は避けてください)を使用して、シール、シャフト、シール室、グランドを清掃します。小さな粒子でさえ、シール面に傷をつけたり、ミスアライメントの原因となる可能性があります。
- 損傷の検査:シールに欠陥がないか確認します。たとえば、シール面のひび割れ、Oリングの変形、またはスプリングの破損などです。また、シャフトの表面が滑らかであること(傷やバリがないこと)と、シール室に摩耗がないことを確認します。
2. 精密な組み立て:主要な設置パラメータの制御
この段階では、シールが正しく装着され、位置合わせされていることを確認するために、細部への注意が必要です。
- 同軸性の確保:ダイヤルインジケーターを使用して、シールの設置位置でのシャフトの振れ(偏心)を測定します。不均一な面摩耗を避けるために、誤差はシールの指定された制限(通常は0.1mm以下)を超えないようにする必要があります。
- 適切な圧縮の設定:メーカーの指示に従って、シールの圧縮(エラストマーまたはスプリング用)を調整します。過度の圧縮は過度の摩擦と熱を引き起こし、圧縮不足は漏れにつながります。カートリッジシールの場合、最終的な締め付け後にのみ設定クリップを取り外してください。
- シール面の位置合わせ:コンポーネントシールを取り付ける場合は、固定シール面と回転シール面が完全に平行であることを確認します。設置中にシールを傾けないでください。これにより、シールインターフェースが破壊されます。
- ボルトを均等に締める:トルクレンチを使用して、グランドボルトを千鳥状(たとえば、4つのボルトの場合は1-3-2-4)に締め付け、均一な圧力を加えます。締め付けが不均一な場合、シール室が歪み、面がミスアライメントになる可能性があります。
3. 設置後の検証:設置品質の確認
最終チェックにより、シールが安全な操作の準備ができていることを確認します。
- 手動回転テスト:設置後、シャフトを2〜3回転手動で回転させます。スムーズに回転し、引っかかりや抵抗がないはずです。これは、シールコンポーネント間に固着がないことを示しています。
- 漏れと温度の確認:最初に低速で機器を起動し、徐々に通常の運転条件まで上げます。シールの即時漏れ(目に見える液滴が形成されないこと)を監視し、シール面の温度を確認します(通常は標準シールで80℃以下など、メーカーの推奨範囲内に収まるはずです)。
- 設置データの記録:シールのモデル、設置日、使用したトルク値、および初期テスト結果を記録します。これは、パフォーマンスを追跡し、後で問題をトラブルシューティングするのに役立ちます。